今日の電子システムでは、プロセッサスピードやデータ通信の高速化に伴い、EMI(Electro-Magnetic Interference（電磁妨害）)が設計者にとって主要な課題の一つとなりました。一つのデバイスで生じたEMI は、そのデバイス近辺にある他の電子デバイスの動作を妨げる可能性があります。 システムにおいてクロックジェネレータがEMIの主要な発生源であることが多くあります。矩形波クロックの周波数スペクトルは、基本周波数と高調波の集合により生成されます。EMI除去フィルタ、ノイズシールド、PCB設計の工夫によってシステム内のEMIを抑制することはできますが、コストが増す上に貴重なPCB面積を消費することになります。代替手段の一つとして、クロックの周波数をゆっくりと僅かに変調することで、基本周波数および高調波周波数の両方のピークスペクトルエネルギーを減少させるという手法があります。FCCでは特定帯域内（通常100kHz）のピーク電力でEMIを定義するため、この低減方法は有効です。