特徴 | メリット |
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かつてMEMS振動子を量産化するには、パッケージングに大きな課題がありました。しかし、MEMS Firstプロセスの開発により、振動子をシリコンウェハー上に真空封止するという方法で、この課題を乗り越えました。
振動子はSOI(silicon on insulator)ウェハーを使います。最初にDRIE(deep reactive ion etching)プロセスを使って切り出し、ウェハーの表面にシリコン酸化膜でトレンチを充填することで平坦化します。次に、振動子と電極の電気的接続のためにコンタクトホールをエッチングで形成します。その後、薄いシリコン層が酸化物上に形成され、その上にベント(通気孔)が形成されます。最後に振動子の周りのシリコン酸化物層をフッ化水素酸蒸気で除去します。これにより、振動する為の真空キャビティが形成されます。
次のエピタキシャル封止工程であるSiTimeのEpi-Seal™プロセスは、安定したMEMS振動子を形成するために不可欠です。 Epi-Sealプロセスは非常に安定したMEMS振動子を製造可能にし、世界で初めて水晶振動子を超える安定性を実現しました。エピタキシャル成膜装置中の高温雰囲気の中で振動子やその周りの真空キャビティを綺麗にし、ベントを埋めます。高温の水素ガスと塩素ガスが振動子をクリーニングし、同時にシリコン含有ガスがベント穴中にポリシリコンを埋めるように堆積し、封止します。
その後、Viaが振動子と電極上に形成されます。トレンチによりエッチングされ、シリコン酸化物層で埋められます。その結果、電極と振動子の間のコンタクトが形成されます。最後に、電気的相互接続がアルミ配線やボンディングパッドで形成され、さらに保護用の酸化膜や窒化膜が形成されて、プロセスが完了します。
出来上がったウェハーは、100μm以下の厚さになり、プラスチックモールド、フリップチップ、チップスタックなどの業界標準のICパッケージングプロセスを用いてパッケージされます。MEMS Firstプロセスについてのより詳細な説明は、MEMS ファーストプロセス(Flash Presentation) または、アプリケーションノート「MEMS First プロセス」をご確認ください。